●【読みたい】 向田邦子 - 男どき女どき

向田邦子 - 男どき女どき
何事も成功する時を男時、めぐり合わせの悪い時を女時という。
巡り合わせが良いかわるいかなんて、後になってみないと分からない。
乗り合わせた飛行機が、落ちるかどうかも、後になってみないと分からないのだ。
飛行機事故で亡くなった向田邦子の、最後の小説四篇とエッセイが含まれた本書は、
『無口な手紙』、『壊れたと壊したは違う』など現代文の問題で頻出(懐かしい単語)が
見られて、何となく記憶を追体験出来る。
独りを慎む、や、『私にとって愛はぬくもりです。』は、
現代人必読の書ともいえるだろう。
こういう常識人がいたんだ、と確認出来ることはとっても幸せなことだ。
* * *
04/2006 追記
気のせいかと思っていたけれど、最近同じ思いが強くなるからここにMemo。
向田邦子の持つ独特のバックグラウンドの文体への影響は否めないだろうが、
なんだか彼女のような、軽妙な日本語を使える作家が少ないなぁと思う。
文壇の批評にも出ていることがおおい、「村上春樹の焼き直し」みたいな、
少し謎かけをした文体か、世間のおばちゃんが少し恋愛して気ままに暮らす
30代みたいな文体か…。
もちろんそこに優劣があるわけではない、単なる好きか嫌いかの問題だけれど、
向田邦子のもつ雰囲気を改めて味わうことが出来ないというのも残念な話だ。